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それで…?次の出し物は何なのかしら…レン。
兄さんがあの人と夜中に会う事は、私にとって不愉快極まりない。
兄さんがタタリを消滅させる為に、シオンと行動を共にするのは内心妬ける。

兄さんが私の嫌いな代行者をかばうのは何かと苛立たしい。
兄さんが琥珀や翡翠と仲良くする姿は、飼い犬に噛まれた様な気分になる。

兄さんが同級生の弓塚さんに、毎日屈託の無い笑顔を振りまいてるかと思うと、
なぜか孤独感を感じてしまう。

兄さんが有馬の妹さんに優しくすると、私は親に構ってもらえない駄々っ子になってしまう。

兄さんが黒猫に向ける優しい視線は、子を思う父親の様な視線。
私には向けられることの無いそんな視線を見るたび、私は気が気では無くなる。

全く。

私は兄さんの事になるとイライラしている時間の方が多いのではないだろうか。

毎朝もっと早く起きてくれれば、時間をかけて一緒に登校出来るのに。
食後の紅茶ぐらい二人で優雅に嗜みたいのに。

「兄さんったら…」

ため息交じりの笑みで心底不甲斐ない兄を想うと
私はまた雪原を歩き出す。

どうやら体はまだ大丈夫。
兄さんの周りでおイタをしている、不愉快な女達の事を考える余裕があるのだから。


けれどこの先に待っているモノは、正直私の手には負えないかもしれない。

何せ相手は真夏の、それも熱帯夜に雪を降らせてしまう程の強大な力の持ち主。
それは私の檻髪の能力の遥か上を行く。

雪原に一歩踏み込んだ時から感じていた恐怖が
急速に確信的なものに変わってゆく。

雪に残る私の足跡が、まるで命を削られてる様に思えてならなかった。

代行者の指摘なんて信じたくは無かったけれど、
彼女が言った事はまんざら嘘でも無いらしい。

でも。

兄さんがここに向かっている以上、私は歩みを止める訳にはいかない。

お節介な女たちに先を越されるのは我慢ならないし、
そんな女達に兄さんが感謝するは許せないもの。

何より私がそうしなければならない理由は、
ここで引けば兄さんに危害が及んでしまうからだ。

それは許さない。
それだけは許さない。

絶対に。
絶対に。
絶対に。

例え誰であろうと、何であろうと、兄さんを傷つけるものは粉々に粉砕する。

魔を討つ遠野の血筋がそうさせるよりも早く
私の兄さんへの想いが、私の髪を紅く、凶暴に染め上げる。

気付けば恐怖という名の足枷は、
私の中に潜む魔物が食い千切っていた。

そして私は駆け出す。

この不愉快な巣穴の主を食い殺さんが為に。

「待っていなさい-
 -この目障りな雪原を、私の赤で踏みにじってあげる!!」













メルブラ(アクト・カデンツア)『稼動記念』の紅赤朱版の秋葉です。

アーケード版が予想以上に面白かったので、勢いで一筆。
キャラは全員好きだけど、今回はPLAYしていて生理的にピッタリな秋葉をチョイス。

壮麗・威厳・凶暴。個人的な紅赤朱のイメージを全部詰め込んで描いた、魂の一作!!

…と言いたい所だけど、PLAYした情熱を元に
昨夜小一時間で書き殴ったラフに着色しただけ(笑)
塗るのに時間は掛かったけど。

紅い色の使い方は非常に苦手で、どうなる事かと思ったけど
結構好みのテイストに仕上がって満足。

そういえばアーケド版のメルブラ…
白レンは使えないのかーーーっっ。ドリー泣いちゃうーーーーっっ。